amp blog

十月十日の進化論

Grasshoppa!
0 comments

第7回WOWOWシナリオ大賞受賞作品である栄弥生脚本「十月十日(とつきとおか)の進化論」をドラマ化。監督は『箱入り息子の恋』の市井昌秀。
東京で独身生活を送る昆虫分類学博士・小林鈴(尾野真千子)は、ある日突然勤めていた大学を解雇されてしまう。研究分野の狭さと偏屈な性格が災いしたのだ。その夜鈴は、訳あって同じ戸籍には入っていない実父・中村保(でんでん)が営む喫茶店で昔の恋人・安藤武(田中圭)と再会する。武は酔いつぶれた鈴を家まで送っていくことに。果たして2人は酔った勢いで一夜をともにしそれから約5週間後、鈴の妊娠が発覚する。
人間は胎児の間の十月十日で生命30数億年の進化を再現するという神秘を書物から知り、産む決意を固めていく鈴。だが、武には子どものことを切り出せない。
ようやく決まった仕事も思うようにいかず、ふてくされる日が続く中、母親・小林文子(りりィ)が実家から上京してくることに。そこで妊娠がばれ、叱責されるが、子どもをひとりで産み育てる気持ちに変わりはない。鈴が意固地になるには、ある秘められた過去があった….。

という2時間の単発ドラマなのだが、映画的なものを志向しているわけでもないし、かといって今ドキの地上波TVドラマの作風ではもっとない。これが非常に良かった。観たいものが適正なメディアで流れている気持ち良さ、とでもいうべきか。たぶん上のストーリー読んでもわからない、演出と役者の確かさが存在していた。(ストーリーよりかなりユルくて、かなり笑える)
WOWOWドラマWのシリーズ第1弾は『センセイの鞄』。川上弘美の名作を久世光彦が撮った珠玉の一品。久世亡き今、この流れを奇しくも同じ枠で引き継いでくれたか、とすら思いました。かって1970年代半ば『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』『悪魔のようなあいつ』(脚本長谷川和彦!)『ムー』の久世ドラマが持っていた自由奔放さ、テキトーさ、サブカルさ、おおらかさの匂いするTVドラマを大根仁監督、福田雄一監督より一世代下の市井監督にももっと担って欲しいと、勝手に思うのでした(K)
PS.劇伴はちなみに曽我部恵一。挿入アニメーションもベタ過ぎず、アート過ぎずとても良し、5/8のWOWOW再放送必見です!

Leave a Reply

Your email address will not be published.

You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>