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マームとジプシー『cocoon』2015

Grasshoppa!
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@池袋:東京芸術劇場シアターイースト。2013年の初演も同じ会場だったか。いろいろ意見が分かれるのかもしれませんが、今回の再演のほうが圧倒的によく感じた。初演ではこの劇(原作と事実)が持つドラマ性(と言ったら不適切かもなので、悲劇性)を演出の藤田貴大が持て余している、昇華しきれてない印象を受けた。今回の再演は、題材に真正面から対峙しつつ、かつ藤田演出の掌の中に入れた感がある。数センチ、コンマ数秒というせめぎあいが砂を敷き詰めた舞台で起こる、まるでマスゲームのような身体性。それがバレエダンサーの鍛えられた身体からではなく、平凡なそこらへんにいる少女の肉体から発せられる切実が胸に迫ってくる。劇中号泣している女性も何人もいたし、自分も目をそむけたくなるほど、生な感情が何度も舞台の上でむき出しになった。ドラマ性を解体し、それをバラバラにしかも有機的にちりばめ、感情の川としてやがて集結させる。
起承転結でなく、喜怒哀楽でもない、人間の魂のグルーブが津波のように繰り返しおとずれてくるその凄まじさは経験しないとわからないかも、
言語化不能です。前のコラムでも取り上げているドラン(そもそも藤田とつながっている)のエモーションの質と良い意味で近似的である。東京は7/12まで。当日券出ているみたいなので是非。(K)

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