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Book Soup③『愛のようだ』
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12月初めての更新でありながら、大晦日になってしまいまして。
年末正月って、なんとなく本屋でハードカバーを買い込んでしまいます。で、長嶋有の『愛のようだ』。『夕子ちゃんの近道』を新潮で読んで以来なので、十何年ぶりに新作を手にした次第。東横線の渋谷-横浜往復で一気に読んでしまいました。タイトルを見て、「キリンジの歌のタイトルみたいだなあ」とか思ったのですが、作中に出てきます、キリンジ。簡単に言うと、四十になって、初めて免許とって中古の“ラシーン”買って、いろいろな友人たちとドライブする男の話なのだけれど、四十過ぎると、どうでもいいように、しんどいことををやり過ごすことができなく、なってきて。重くならないようにバランスとってる日常で、やはり重くのしかかってくるのが“別れ”。それは、恋愛であったり、死であったり。“さすらう”ことの嘘と、特別と、でもどうしてもそれが必要なすべての人、必読です。(K)