Jan
2020やっと観れた映画①『象は静かに座っている』
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長い映画?2時間超えるとつらいですよね?
まして4時間弱って作る方も見る方もどうかしてるんでしょうか…。
牯嶺街少年殺人事件(エドワード・ヤン)236分
美しき諍い女(ジャック・リヴェット)237分
愛のむきだし(園子温)237分
風と共に去りぬ(ビクター・フレミング)230分
アラビアのロレンス(デヴィッド・リーン)237分
※注:各作品尺のバージョンは色々あります。
そうなんです、意外に4時間弱の映画って傑作ぞろいなんです!
そして、
象は静かに座っている(フー・ボー)234分
2019年NO1に挙げている方も多かったこの作品。監督の自殺(享年29歳)により処女長篇にして遺作ということ含めて語りたくなる映画だと思います。4人の老若男女の1日を描いている映画の時間軸は体感では奇妙にねじれていました。感覚でいうとノーランの『ダンケルク』のように。それは4人のシーンバック構成でありながら、完全な同時間軸ではなく、少し巻き戻るのりしろがあるからだと思われました。(未検証)
『満州里の動物園に一頭の象がいる。その象は一日中ただ座っているというー』と劇中で提示される4人の希望というよりアメリカンニューシネマ?違うか、カーヴァー的な?諦観のメタファー。
ドキュメンタリー的、ノーライトのような画づくりですが、脚本、編集、撮影意図はかなり繊細に計算されています。
そして人物のバックショットが多いことが言及されているようですが、僕はむしろ人物のミドルショットが多いことにすごくストレスを感じながら見ていました。が、ラストカットで納得するんです、圧倒的に。なのでぜひ観てください、必ずラストで4時間の苦行と思った人も救われるハズ…その映画快感は黒澤明『天国と地獄』の赤い煙が出る瞬間にも似て。(K)