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2015観た映画④『六才のぼくが、大人になるまで。』
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実は、そんなにリチャード・リンクレイターってグッときてなくて。例のトリロジー『ビフォア・サンライズ/サンセット/ミッドナイト』も全部途中までしか観てなくて。でも、これは凄い良かった。とりあえず今年観た映画の中では、ダントツに良かった。
しばらく経たないとわからないけど、ひょっとしたら、生涯ベスト10に入るかも。
びっくりした。世間で言われている『12年間同じ役者が実際に年を取りながら撮影している』ことがどれくらいリスクがあって大変なことか、は映画を製作するものとしても良くわかる。でもその手法を取りながら、ドキュメンンタリー的と感じさせない、映画としての緻密な設計から来るエモーションが豊穣だった。セリフも編集もムダがとにかくない。音楽も既製楽曲がふんだんに使われているのだが、BGMと劇伴の境目を感じさせない。見事です。時の流れに身をゆだねながら、こんなに客観的に映画ってつくれるんだろうか。そして、“時間”というものを、“家族”を通じて、“一瞬と永遠”に立ち上がらせている、まさに映画でした。よしもとばななさんの“喜怒哀楽からこぼれおちてゆく感情をわたしたちは描いてゆくのだ”という金言を思い起こします。だって主人公メイソンが12年持ち続けて気持ちって90%そうでしょう?それってやっぱり“人生そのもの”なんじゃないでしょうか。(K)