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Book Soup①『あなたを選んでくれるもの』

Grasshoppa!
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これとても面白かった本です!著者のミランダ・ジュライは、作家『いちばんここに似合う人』(未読です)でありパフォーマンス・アーティストであり『君とボクの虹色の世界』(未見です)の映画監督であり、夫は映像作家のマイク・ミルズ(ソフィア・コッポラとのコラボ他)らしいです。要は、自分にとってまったく未知の作家だったのですが、岸本佐知子氏翻訳ということと、新潮クレスト・ブックスへの信頼にて、買いました。内容は新作の映画脚本執筆にあがいているミランダ本人が、フリーペーパー『ペニーセーバー』の小冊子に掲載されている売買広告(ex皮ジャン10ドルで売ります)の掲載主を訪れ、その売りだされている「もの」と売り主のストーリーを聞いてゆく…それは予想外で奇妙で悲しく感動的なものだった…というフォト・ドキュメンタリーです。ポール・オースター『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』を思い出される方もいらっしゃるかもですが、それよりももっと書き手に寄ったパーソナルなドキュメントです。行き詰まる映画脚本が、逃避行にすぎなかったこの取材に触発され、結実するという過程は、なんか真情としてよくわかる。ミランダが取材対象に対して、ほんのちょっと差別的な気持ち(階層差における違和感)を抱くのを包み隠さず、安易なヒューマニズムに寄せて書かない姿勢に好感を持ちました。またずいぶん海外翻訳モノを読んでなかったから、新鮮でした!新潮クレスト・ブックス、さらに掘ってみます~(K)

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