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『ROMA/ローマ』を劇場で。

Grasshoppa!
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第91回〈アカデミー賞〉で監督賞・外国語映画賞・撮影賞の計3部門を受賞したアルフォンソ・キュアロン監督作『ROMA/ローマ』。Netflixで観ることも出来たのですが、自分のコンディションを最高に整えて集中して観たい!と気合いが入り過ぎて観れなかったのです。で、イオンシネマ系列で劇場公開されたので早速行ってきました。劇場を出た頃は、「スーパー地味な映画だなあ」と思いましたが、時間の経つうちにジワジワかなり強烈に効いてくる映画ですね。

劇場で観るとまずSE(セリフの振り分けもだが)がかなりサラウンド強調されているのに気づきます。まるで小津映画のようなモノクロの清逸な映像にパンと横移動の繰り返しで示されるカメラの運動性。時代に翻弄されながらも何百年と繰り返されてきた普遍的であたりまえな市井の家族の物語。

なぜか『A House is Not A Home』というフレーズが思い浮かびました。Bruce Weberの写真集の題名と記憶してたのですが、そもそもBurt Bacharachの曲名からの引用なんですね。(Bill EvansやDionne Warwickでも著名)

♪椅子は椅子に変わりはないさ
たとえそこに誰も座ることがなくても
けれど椅子は家じゃない
そして家は家庭ではないんだ
そこに抱きしめてくれる人がいなければ
そこにおやすみのキスをしてくれる人がいなければ

つまりこれは“家”の映画なんだな、と。

オープニングの犬のshitを洗い流すガレージの掃除は、クライマックスの波へとつながり、まるでその後のクレオを暗示するような、狭い産道を抜ける胎児のようでもあるガレージの車庫入れ、エンドクレジットの家の空舞台で生活音のみを聞かせるなど心憎いばかりの計算しつくされた恐るべき映画だと思います。かと言って150分絵はがきを見せられているような退屈な映画では決してありません!地震、出産、集団の武術マスゲーム、別荘のパーティー、暴動、そして海辺の宗教画のような神話的エモーション!キュアロン監督の個人的記憶から発露された映像は、確実に我々の持つ子供の頃の思い出と結びつき、胸が締め付けられます。必見!!!!(K)

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